公害とは事業活動などの人為的な原因から、地域住民や公共一般がこうむる肉体的、精神的、物質的な種々の被害や、自然環境の破壊のことだ。
「観光公害」という言葉があるが、他府県や他国からわざわざ来てくれた人に対して、公害という言葉を使うのはどうかと思う。
観光という良い響きと、公害というあまり好ましくない言葉をくっつける事に対しても、違和感を覚えるのは私だけだろうか?
観光客の誘致に躍起になっていたことは忘れ、増え過ぎたらまるで邪魔者扱いする姿勢はどうかと思う。
観光という恩恵で京都の財政が潤っているのは事実である。
そう遠くない自治体では、予算案が通らずにご当地キャラの活動が制限されたり、毎年恒例の花火大会が中止の危機にさらされている状況がある。
お気に入りの店に行きづらくなったという嘆きの言葉があったが、
その店の方は観光という恩恵を最大限に享受して、喜んでいるはずである。
バスなどにしても、満員で乗りにくいという状況なのはわかるが、
必要なのに存続そのものが難しい自治体だってある。
京都は少しぜいたく病なのかもしれないと思うのは私だけだろうか?
キャパを超えているなら、「もう、来ないで下さい」と言えばいい。
2019年4月27日(土) 京都新聞 「読者の声」掲載
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